1.ストックホルム訪問について
自立生活センターアークスペクトラムの岡田健司委員長が2021年4月22日発表したスウェーデン・ストックホルム訪問についての談話は次の通りです。
一、今回のストックホルム訪問は、2019年秋にブリュッセルで開催されるヨーロッパ自立生活ネットワーク(ENIL)の30周年大会に参加することを機に決定されたものである。
懇談では、日本での障害福祉が未だ専門家主導のパターナリズムであることに問題提起し、制度運用をになうサービス供給主体に内在する矛盾点を解明し、当該国で障害者のサービス法(LSS)に明記されたダイレクトペイメント・パーソナルアシスタントが本人主体・本人主権を保障しうるものであるかを確認した。
2011年 第34回 障がい者制度改革推進会議 総合福祉部会の提言や、2015年 第79回 社会保障審議会 障害者部会の報告書では、パーソナルアシスタントの明確化や制度化に向けた議論を求める声がある。
自立生活センターアークスペクトラムは、本人主体・本人主権のダイレクトペイメント、パーソナルアシスタントの制度化を強く望む。
一、日本の障害福祉の制度運用をになうサービス事業者は過重労働と精神的ストレスで極度に疲弊している。さらに、本質的な問題を含んだサービス法により事業者と利用者の衝突・対立・軋轢が起こる蓋然性も高く、虐待等による殺傷事件が絶えることはない。
自立生活センターアークスペクトラムは、日本の障害福祉の制度運用をになうサービス事業者としての自己矛盾を自覚し、現行の制度下による独自の政策追求をおこなう。
日本政府による障害者権利条約19条の批准状況を引き続き監視する。介護労働者の賃金の引き上げを強く求める。
一、全国の自治体には全身性介護人派遣事業からの自薦利用者が多く存在しており、今日においてもそれは変わることがない。自分自身でリクルートした専属の介護者と地域生活をおくる者たちにとって欠かせないのは重度訪問介護というサービスである。
自立生活センターアークスペクトラムは、本人主体・本人主権のダイレクトペイメント、パーソナルアシスタントの制度化を求めるうえで、現行の重度訪問介護の継承発展が必要であると考える。
全国の自薦利用者の権利擁護のための行動をとることをここに表明する。
2.懇談
アドルフ・ラツカ氏
インディペンデント リビング インスティテュート(自立生活研究所)※外部リンク
懇談動画
自分自身で生活をコントロールし人生の質をアクセプトする難しさ
”そんなことは不可能なことだ” - 障害者の標準化される生活様式 -
オーサ・エムテムリン氏
懇談動画
ヨナス・フランクリン氏
ジェシカ・スマーランド氏
トビアス・ホルムバーグ氏
ジェイミー・ボーリング氏
懇談動画
「発祥の地」の痛苦 - 経済は権利の上を逆立ちし世界を覆う -
3.訪問のスケジュール(2019年)
ストックホルム行程
10月6日(日曜日)
1.アドルフ・ラツカ氏との懇談
10月7日(月曜日
2.JAG(知的障害児・者と親の会)との懇談
3.STIL(共同組合形式の当事者組織)との懇談
ブリュッセル行程-ENILフリーダムドライブ※外部リンク
10月1日(火曜日)
1.自立生活のための草の根キャンペーンの構築 資料(PDF)
2.持続可能な開発目標
3.ユーザー主導のパーソナルアシスタンス
4.ENIL役員との懇談
10月2日(水曜日)
インタビュー動画
施設に閉じ込められた何千人もの障害者の解放を タラ・フラッド
6.欧州議会での移動の権利に関する公聴会
7.ENIL30周年パーティー
10月3日(木曜日)
8.自立生活に関する会議
9.サイドイベント-自立生活ネットワーク会議
ENIL(ヨーロッパ自立生活ネットワーク)とは
ENILはヨーロッパ全体の障害者のネットワークで、ヨーロッパ中のメンバーが自立生活の権利を推進しています。